「トヨタ」と一致するもの

麻宮騎亜氏による車をテーマにした漫画「彼女のカレラ」の最新巻である4巻を読んだ。 この漫画はPorsche 964 RSに乗る女性が主人公だが、変に外国車に偏ったりしていないので、色々な車が出てきて面白い。 また、古い車を取り上げつつも、やはりこだわらずに新しい車を取り上げている。 と言うわけで今回の巻では、トヨタからセリカが、日産からフェアレディZが登場している。 ストーリーは初期にあった「段々とPorscheの運転になれていく」と言う部分は薄れてきており、描かれる内容も徐々に非現実的になってきている。 とは言え、単に早さを競うだけではない車の楽しさを描いている、と言う点ではずっと変わらない部分があると思う。

さまざまなメディアで話題になっているが、トヨタ自動車がハイラックスのリコールをせずに放置して担当部長が逮捕されると言う事件が起きている。 トヨタは最近リコールを多くしており、一部は旗艦ブランドのLEXUSでもリコール対象になっている。 今年の四月の入社式では、社長が安全への意識の重要性を説いていた、と記事で読んだように思うが、まさにその不安が的中してしまったと言うことだ。 日本のもの作りのまさに牽引役であったトヨタに、こういった形で影が差してくるのは残念だ。

そもそも、リコールが多くなってきたことの背景には、近年好調なトヨタの業績による、社内の「おごり」が原因にある、と経営陣も危惧していたようである。 こんかいのリコール問題の記事を読んでいると、社内のランクではAクラス(序列はよくわからないが、高い優先性があると考えられる)の問題であったのに、「特殊なケースと認識」し、リコールをするには至らなかったと言う。 もちろん、自分が品質管理の担当でリコールを出したくない、と言うような意識があるのは理解できるが、だからといってお客の安全性を軽視するのはいただけない。 どうも、報告になかったから問題なかったと思った、などとも供述しているようだが、管理職の立場の人間としては、ちょっとお粗末ではないだろうか。

そういえば、オランダ人と車について話していたら、「トヨタ車はこれと言った特徴はないけれど、メンテナンスがあまり必要ないところがいいよね」と言っていた。 つまり、海外でも問題が少ない車としてのブランドイメージを確立していた訳である。 そんな中での今回の事件については、やはり残念と言うしかない。 逮捕者が出たことは社内でも相当な衝撃だと思うが、これを機に安全性をしっかり考える社内体制を、もう一度作り直してもらいたいものである。

NHKがトヨタからの理事招聘を検討しているらしい。 最近ではソニーも社外取締役をトヨタから受け入れたばかりで、日本の企業の中でトヨタの力が際だっている。 そう言えば、ブランド・ジャパン2006を取り上げたエントリーでは、消費者の評価についてしか書かなかったが、企業の評価で言うと、トヨタ自動車がダントツでトップだったらしい。

私は天の邪鬼なので、ダントツのNo.1と言うのは嫌いである。 携帯電話はauを使っているのも、なんとなくそんな理由があったのも事実だ。 これはあくまで私がそうだ、と言う意味なのだが、No.1になるとその位置を維持するための行動になってしまい、それまで上を目指して進歩を続けてきたのに、それをやめてしまうと思うのだ。 良く、上司のことばかり気にしている人間を、ヒラメと言ったりカエルと言ったりするそうだが、別にカエルでも良いと思う。 上司ではなく、上に立つライバルを見つめて、いつかぴょんとジャンプしてやる。 そんな気持ちって大切だと思う。

Lexus LSに、トヨタ初、日本初の電動パーキングブレーキが搭載されるらしい。 日経BPのニュース記事より。

電動パーキングブレーキとは、ハンドブレーキの動作を電動でおこなうものらしい。 手で操作しないから、ハンドブレーキとは言わないと言うことなのか。 Lexus LSはAT車しかないのかよくわからないが、シフトレバーを「P」にするとパーキングブレーキが入り、それ以外の「D」や「R」にすれば、ブレーキがはずれるという。 確かに、運転を如何に楽におこなうかを考えた、いかにも高級車の機能といった感じだ。

ただ、私が思うのは、万一の故障が怖いな、と言うことと、安全性はシステムによって保たれているのだろうが、逆にドライバーの安全性への意識は、薄れてしまうのではないかと言うことだ。 私はやはり、ハンドブレーキを手でジリッと引いてこそ、きちんと車を停めた、と言う気になるし、教習所でも、一連の流れ動作として、しっかり安全性を確かめながら覚えていくはずだ。 何にでも言えることだが、システムに頼りすぎると、個人の意識が薄れ、逆に生産性は低下するのではないかと思っている。

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